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2013.09.27 八戸市桔梗野工業団地軟弱地盤問題の謎 その3

こんにちは。前回は桔梗野工業団地が造成された当時のことを、青森県新産業都市建設事業団に取材しました。今回は現代に戻って、八戸市議会でこの問題がどう議論されたのか、現職の八戸市議会議員さんにお話を伺いました!


無所属の伊藤のりこ議員は、八戸市議会でもっとも詳細にこの問題を扱ってきました。
公募に応じたのは3団体、NPOグリーンシティはメガソーラー事業・大和エネルギーもメガソーラー事業・吉幸会は特別養護老人ホームを提案しました。軟弱地盤の利活用案を決める過程でどんな問題があったのでしょうか?




伊藤議員のお話から、なにが問題なのかをひとつひとつ見ていきます。
①公募要項に規定違反
2012年3月の公募開始の段階では、そもそも工業団地の規約にない「貸与」を盛り込んでおり、議会の議決も経ていないし報告は2か月後。議会軽視であり、無効である。

②利活用検討委員会に重要情報が告知されていなかった
軟弱地盤利活用検討委員会には、重要な情報が伝えられていなかった。大和エネルギーは複数の自治体で不正を指摘され営業停止処分を受けていたが行政はそれを知っていながら事実を伏せていた。

③不可解な評価基準
本来望ましいはずの分譲の提案(グリーンシティ)があったのに、市への運用利益の低い貸与提案(大和エネルギー)に高い評価が付いているのは不可解である。吉幸会の特別養護老人ホームは、八戸市高齢者福祉計画」に設置がもられていないので最初から受け入れられない提案であるにも関わらず天秤に乗せられている。採用された大和エネルギーの売電利益は県外に流出する。

④議会のチェック機能不全

議会軽視は議会で黙認された。市民の利益から外れた意思決定、不可解な点を問題提起しなければ市民のみなさんもこの問題に気付かずに過ぎてしまう。





まとめ 
伊藤議員は、軟弱地盤の利活用検討過程を複数の議員から「これは出来レースだよ伊藤さん」と言われていたことを明かしました。議会は議会軽視を軽視と思わず黙認していたのです。与党議員は「うちらは与党だから」と行政提案を鵜呑みにし、議会のチェック機能は失われていました。

その結果、検討委員会は、指名停止処分を受けていたことを知らぬまま大阪の大企業大和エネルギーに高評価を与え、最終的には大和エネルギーの貸与によるメガソーラー提案を採用しました。伊藤さんはNPOグリーンシティの3500万円一括分譲の地域貢献型メガソーラー提案がより八戸市に運用利益をもたらすものであったことが評価されない不可解な評価基準も指摘しています。

八戸市産業振興課に取材したところ、「議員の指摘はまちがい、検討過程に問題はない」という回答でした。ですが、市民の代表である議員が「恣意的な評価」「出来レース」という印象を受けるのならばそれは主権者市民がそう受け取ったと同義。行政は説明や情報公開に重大な瑕疵があったと反省すべきです。伊藤議員も総括するように、行政の意思決定のプロセスは透明でなければなりません。そしてそれをチェックする議会は党派やしがらみにとらわれては機能しない、それを監視するのはわたしたち市民の責務なのです。
記事=小山内頼人
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八戸市桔梗野工業団地軟弱地盤問題の謎 その2

こんにちは。八戸市桔梗野工業団地軟弱地盤問題の取材をしていきます。

八戸市が、県の【新産業都市建設事業団】に委託して、桔梗野工業団地が造成されたのは前回お話しましたね。ちょっと複雑なので、すこ~しずつやっていきましょう。

img_kia_all.jpg

工業団地を造成したのは県が設立団体の一部となっている【新産業都市建設事業団】です。まず浮かんだ疑問は、「工業団地を造成したあと、軟弱地盤が見つかることなんてあるのか?ちゃんと調査したのか?」ってことです。県庁の【新産業都市建設事業団】に聞きにいきました!


教えてくれたのは笠井さん。


小山内:桔梗野工業団地を造成するとき、どんな調査をしたんですか?
笠井さん:(古い資料をめくりながら)うーん、ちょっと詳細はすぐにわからないんですが~
小山内:調査をして、あとから軟弱地盤が見つかることって普通にあるんですか??
笠井さん:造成当時は昭和50年代で、技術的にも今ほど精密な調査ができなかったんです。調査個所を増やせば膨大な費用がかかりますからある程度の箇所を調査することになります。あとから軟弱地盤が見つかることもありますが、この件の場合は予想を上回っていたということですね。
小山内:軟弱地盤が見つかった58000㎡はもともとどんな土地だったのですか?
笠井さん:この辺りは昔、「谷地」という地名だったんです。谷地とはそもそも軟弱な地盤(湿地)を意味します。沼があったこともわかっています。ですからもともとこの土地には大きな工場は建てられないだろうと予想していました。
小山内:へぇー、そうだったんですね! 見つかった軟弱地盤にはなにか対策をしたのですか?
笠井さん:軟弱地盤が見つかったとき、すでに企業が工場を建設していたんです。建物が傾き、事業団が土地の代金を企業さんに払い戻し、移転費用を負担しました。地盤自体にはなかなか対策をするのは難しいと思います。
小山内:なるほど、そのとき発生した負担金が負債の拡大につながったのですね?
笠井さん:事業団は県から無利子で事業費を借り受けていますが、他にも有利子の負債もあるんですね、順調に分譲していればその売上で返済できたはずの負債が滞り、利息がかさんだのです。
小山内:有利子負債が総額42億円あまりに膨らんで現在に至ると。八戸市はそのうち28億円を負担することに決まりましたが、事業団が造成したので軟弱地盤対策は県に責任があるという声もあります。県の責任はどの程度反映されたのでしょうか?
笠井さん:造成したのは事業団ですが、委託したのは八戸市で、八戸市が事業の実施者です。事業団が独断で事業を行うことはなく、なにごとも八戸市さんと協議のうえ進めていったわけで、一概にどちらかに責任があるというのは難しいですね、負担の割合も八戸市と協議して決まりました。
小山内:通常の調査をしても不良地盤が見つかることもある、今回は予想を超えて軟弱な地盤が不幸にも工場建設後に見つかってしまったんですね。ありがとうございました。





●桔梗野工業団地が造成された当時の事情がわかってきましたね、次は八戸市議会議員の伊藤のりこさんに取材します!お楽しみに!
記事=小山内頼人

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2013.09.10 弘前市議会議員 菊池勲さんインタビュー 『議員の仕事ってなんですか?』

こんにちは。小山内です。みなさんは、議員さんが普段どんな仕事をしているか知っていますか?たぶんほとんどの人は知らないと思います。テレビや新聞にはほとんど登場しないからです。ですが、政治家を批判する記事はしょっちゅう目にしますね。



青森市で議員報酬削減問題が話題になりました。議員報酬削減に反対した青森市議会議員たちは批判されました。でも、新聞の報道も報酬が妥当かどうか誰にも判断できないと認めた上で、「やり方が悪いから市民が納得しない」と書きました。では「やり方がよければ市民は納得するんですか?」・・・しないと思います。議員の仕事が何なのか知らないからです。


じゃあ、議員さんに聞いてみましょう!今回は弘前市議会議員、菊池勲さんが対応してくださいました。翌日一般質問を控えた忙しい中取材に応じていただきありがとうございました!



●議員の仕事とは
小山内:まず、議会に関する仕事をおしえてください

菊池:議員一人は無力です。一般質問では市の担当課・市長・議員・マスコミ・市民全体に問題提起できる場です。それが伝われば多くの人が味方になってくれるし、市長も考える。

小山内:どんな準備をするんですか?

菊池:普段から情報収集をします。行政が主催する会議に積極的に出席して、市がなにをしようとして考えているのかを把握します。行政だけに任せてしまうとどうしても市民の感覚とずれてしまいますから、市民の声を聴く市民の代表である議員が必要になってくるわけです。また、弘前市議会議員は弘前市全体のために仕事をしますから、限りある税金の使い道が弘前市全体に最前の効果を出すように、市民に対してもまず自分でできることをやってみて、それでもだめなら相談してくれと言います。


●市民が議員の仕事を理解できないのはなぜ?
小山内:市民が描く議員像と、その実態にずれがあるように思います。これはなぜ生まれるのでしょう?どうしたら市民が議員の仕事を理解できるでしょうか?

菊池:議員の仕事が理解されないのは、議員の広報能力の問題だと思いますね。地方は特に、10年20年前は選出した地域の用聞きをしていれば当選できる、要するに、広報する必要がない政治家がたくさんいた。自分たちの仕事を広報する文化が未発達なんですね。

小山内:新聞は政治家を取材しているのに仕事の可視化はしようとしない。

菊池:個人的には、匿名でもいいから議員の一週間の仕事のタイムスケジュールを紹介するものがあってもいいと思います。私の場合だと、昼も夜も公務。家族との食事も週に一度あるかないかです。そういうのを理解したうえで報酬が妥当かどうか市民のみなさんが判断できるのでは?


●議員と市民の関係
小山内:普段市民とどうかかわっていますか?

菊池:たとえば市民から問題提起がある。明日一般質問にも出るけど、弘前のスポーツ施設はかなり老朽化してきているんです。そうすると次はそれが弘前市全体の問題なのかを専門家に意見を聞いたり、タウンミーティングで市民に意見を聞いたりして検証します。 私は野球チームもやってるし、議員は一市民として市民活動に積極的に参加していく。一般的に何かのイベントに議員が呼ばれるのは来賓席、お飾りなんですよ(笑) それではだめなんです。

小山内:市政報告会や市民とのコミュニケーション活動はすべての議員がしているわけではないですよね?

菊池:そうです。

小山内:そうするとそういうことが明らかになっていくと、議員の質の違いは市民に理解されるようになりますよね。

菊池:ですから議員報酬の妥当性の話になるのであれば、妥当な議員もいれば妥当でない議員もいるわけです。だから私は議員報酬は最低限でいいと思っています。そのかわり、議会全体に対して予算をつけて、議員活動をたくさんする人には相当の必要な費用が支給されるような仕組みが必要だと思います。頑張っている人が政治活動に必要なお金をもらうことが市民に理解してもらえる。ただし、仕事しなくても報酬がもらえてる人は反対するだろうけど(笑)





いままで想像するしかなかった議員さんの仕事がなんとなくわかったのではないかと思います。いろいろと課題も見えますね。そしてなによりも、市民の生活向上のためには議員を味方に付け、協働しなければならないことがわかります。菊池さんは、「市民が議員に抱く過剰なヒロイズムと、目に見える効果とのギャップが失望感を生むのではないか」と言っていました。民意の後ろ盾がなければ議員は無力です。逆に、市民の監視がなければ仕事をしない議員も無くなりません。
同行した学生さん、「政治家に悪いイメージを持ってしまっていたけど、私たちのような一般市民と会って話をしてくれることが意外だった」そうです。みなさんが政治家に抱いているイメージ、まちがっているかも??
記事=小山内頼人

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2013.09.05 八戸市 桔梗野工業団地軟弱地盤問題の謎

こんにちは、小山内です。いつもは下北とか津軽をうろうろしているんですが今回は、八戸の話題に首を突っ込みます!南部遠征だすけ!


今から30年前のおはなし。1973年八戸市、公害を避けるために工業地を集積する「桔梗野工業団地」を造成する事業が始まりました。
桔梗野工業団地


八戸市が県に委託して造成されたこの土地、順調に分譲が進んでいきました。


ところがほとんど土地が埋まってきたとき、58000㎡の軟弱地盤が見つかりました。


湧き水でぐずぐずの地盤は建物を傾かせ、十数社が撤退したため賠償金が発生しましたが、この問題で県と八戸市が互いの責任を主張し対立。解決が難航、現在までで負債総額は約43億円にまで膨らみました。
●2012年4月 県知事定例会見録 「委託したのは八戸市だ。」
●八戸選出県議会議員の反論 「県の新産業事業団の責任で造成した。軟弱地盤対策は県の責任。」



2010年八戸市は結局、事業団の余剰金や利息分を除いた28億円を負担することに決定(ほとんどすべて責任を負った形です)毎年8000万円を35年間です。
そして建物を建てられない軟弱地盤の活用方法の検討が始まります。八戸市、軟弱地盤活用案を公募。




当ブログにも登場したNPOグリーンシティがメガソーラー事業を市に提案したことがきっかけで八戸市、軟弱地盤活用委員会が発足しましたが、紆余曲折を経て、軟弱地盤の活用案は大阪の大和エネルギーによるメガソーラー事業に決定しました。


これに対し、NPOグリーンシティ富岡さんは
「八戸市は私たちの地元だし八戸市にお役にたてると思い活用案を提案したが叶わなかった。残念です。」と語ります。




ところがこの問題、調べてみると不可解な点がボロボロといくつも出てきます。
たとえば、大和エネルギーが事業案を示したのは公募締め切りを過ぎていた。とか。
そもそも、ちゃんと地盤調査しても後になって58000㎡もの軟弱地盤がみつかるものなのか?

これから少しずつ、取材を重ね公開していきたいと思います。
まずは、議会がどのように機能したのかを検証していきたい。

普通の市民がどこまで真実にたどりつけるのか、その過程をご期待ください。



八戸市民の方で、取材に協力できるという一般市民の方はご連絡ください。

▼市民ジャーナリストチーム青森活動の軌跡

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