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2012.12.23 渡辺満久in青森講演会「全国の活断層と原子力施設の危険性」

12月23日(日)青森県労働福祉会館に於いて、渡辺満久教授の活断層講演会が行なわれた。渡辺教授は、早くから敦賀原発の敷地内に活断層が存在する可能性を指摘する等して活躍されている変動地形学が専門の教授で、大飯原発の原子力規制委員会現地調査団に加わっている人物である。講演は、地元青森県内の核関連施設付近の断層と敦賀原発付近の断層の2つに絞った内容のものであった。





渡辺教授は、現在日本に点在する原発の中で、活断層のことをとりあえず考えなくてもよいと言えるのは玄海原発だけであると明言、なぜ今になってあちこちで活断層が指摘されるような事態となっているかについて、過去、御用学者が断層の「値切り」を請合ってきたからだと糾弾した。


断層は、ひとたびずれが起こった時、その長さが長いほど大きな揺れを起こす。原発施設の耐震設計を大きな揺れにも耐えうる構造にするためには莫大な予算がかかるので、事業者は、もう少し安くできないかと御用学者に依頼をする。すると御用学者が、断層をいくつかに千切り、だいたい8キロほどでどうか、等と提示する、あるいは断層はないと無視をする。このような癒着が横行してきた結果、今になってあっちもこっちも、やっぱり活断層であったという事実が判明しているというのであった。


また、地震の際の被害として極めて印象的な写真が紹介されていたが、それはインドの地震の際に、断層の上側の地層に建っている住宅群が全滅しているのに比べ、断層の下側の地層に建っている住宅群がほとんど無傷であったというものだ。約1000名が亡くなったというインドの高級住宅街を襲った地震で、逆断層の被害は岩盤の上側に集中するということである。

渡辺教授とそのグループが、4年ほど前にその存在を指摘した「六ヶ所断層」は、下北半島の斧の背の部分から柄の部分にかけて、太平洋岸を走る非常に大きな活断層「大陸棚外縁断層」から枝分かれして再処理工場の敷地内に一部入る断層なのであるが、インドの地震で壊滅した「上部地層」に乗っているのが六ヶ所再処理工場なのである。


大間原発についての調査報告も興味深いものだった。下北の土地高は、大間から脇ノ沢に向かって40m下がり、関根浜に向かって30m下がっている。Jパワーは、「じわじわと、地震に関係なく定常的に隆起した」と説明しているそうだが、旧汀線高度変化、離水ベンチの分析、段丘面の変形から、大間の地下に海底活断層があり、それが動いた結果としか考えられないとのことであった。じわじわと隆起しているというJパワー説に反論するため、水準点の水位を遡って調べたのだそうである。


あさこハウス付近は10万年の間に2度は動いており、あさこハウスを左手に見て向かって右手の広い地形のあたりに存在する、あさこハウス付近から炉心に近づくその断層は、S-10と呼ばれているが、それが断層なのかどうか判断するために調査された大間の地下調査図では、地層が庇のように張り出した状態になっている。
庇のように張り出す不安定な地形が何十万年もそのまま存在するわけがなく、その部分で地殻変動があったに違いないとする渡辺教授らの主張を退けるために、Jパワーが何と言ったかは、非常に印象的に語られていたが、Jパワーはその地形を「膨潤」であるとしたのである。「膨潤(ぼうじゅん)」とは、土が水を含んで膨らむ状態を指す。


講演は、4年ほど前に青森市で行なわれた時の内容と重複する部分も多い。学問的事実がそんなに頻々と変化するわけがないので当然であるが、このアーカイブをきちんと見ておけば、青森県内の断層については、整理された知識が得られると思う。渡辺教授が乗った飛行機が荒天のため遅れ、冒頭20分ほど原子力資料情報室の澤井正子さんがフクイチの現状について報告した。フクイチは、収束などという事態とはほど遠く、水を循環させて冷やしておくことがかろうじてできているというだけであり、汚染水が循環する部分を隔離できず、中に外部の水が染みこんで汚染水が増えており、汚染水を入れたタンクを保管する場所が1年でふさがってしまったとのことであった。東電は、土を掘り、シートを敷いて水を貯めることを考えている。今後、「関係省庁の許可がなければ、海洋には放出しない」とする報告書があることが紹介され、選挙で大勝した自民党政権が、海洋放出に許可を出さないように見守る必要がある、と話された。聴衆は約150人余りで、参加者はメモを取るなどして熱心に聞き入っていた。
※撮影=竹浪純
※記事=三浦協子
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