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2014.04.11 第12回 大間原発建設・運転差し止め訴訟口頭弁論

 2014年4月11日(金)、大間原発建設差し止め訴訟の第12回口頭弁論が函館地裁にて行なわれた。

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 ざっくりこんな内容 
・函館市が提訴した直後の口頭弁論。市の訴訟の弁護団でも中心となっている河合弁護士による報告
・新規制基準の専門家による最先端の分析が口頭弁論の内容


 詳細(事実) 
口頭弁論に先立ち、函館地裁に隣接する函館弁護士会館2階ホールにて、4月3日、函館市が東京地裁に大間原発差し止めを求め提訴した件につき、函館市の訴訟に於いても弁護団に入っている河合弘之弁護士が報告を行なった。概要は以下のとおり。
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「市」という公共団体が史上初めて訴訟に踏み切った衝撃力、情報発信力のすごさ、すさまじさには驚きを禁じえない。

工藤市長が訴
訟を起こせたのは、市民がこのような訴訟を先んじて行なっていたからと言える。そういう流れに乗っていけたということだ。

市民の訴訟の上に、
公共団体としての部分をちょっと足せばできた
。私(河合)も、この訴訟で弁護団として有名になったことで、藤市長が指名して依頼してきたのである。市民の訴訟は非常に有意義であったと思う。

工藤市長は、住民訴訟と自治体の訴訟は違うということも強調するが、この件について市民の後押しがあると意識していることが非常によくわかる。この訴訟は非常に役に立っている。訴状は、イエローページくらいの厚さにもなった。良い内容である。

工藤市長が訴訟に踏み切る引き金となったのは、UPZ(原子力安
全委員会が示した原子力防災対策に関する見直しにより、緊急時防護措置を準備する区域と指定された地域)に組み込まれたことによる。

そのことによって、函館市は、避難計画を作成しなければならなく
なった。実際には、避難路の中心となる5号線に沿って放射能が流れてくることが予想され、避難計画など立たないのである。

しかし、
計画しなければならないという法律上の義務を負わされた
やめてくれとか、ああしろこうしろという権利はない。お金がもらえるということもない。義務だけがあって権利がないとはどういうことだという、わかりやすい理由が第一である。

もうひとつには、本当に事故があったら風評被害が憂慮されるとい
うことである。外国からの観光客が来なくなったらどうなるのか、農林水産、牧畜、観光も壊滅的な被害を受けるということが挙げられる。仮にきれいに避難できたとしても、もはや函館市は無人の街となってしまい、戻ることができない。

市が訴訟を起こしたことは、東京の朝日新聞は一面トップで報じた
。東京の人々、全国の人々が大間の問題を知るようになった。この裁判を闘い抜きましょう。

 傍聴希望者はいつもより少なめで、ほぼ全員が入廷できた。
担当裁判官3名のうち1名が前回と入れ替わっている。柵で隔てられた原告席にいくつか空席がある。
開廷後、まず準備書面第23号、「新規制基準の問題について」、弁護団の青木秀樹弁護士による口頭弁論が行われた。
概要は以下のとおり。
1、新規制基準の内容を審査する必要性
 新規制基準は、事業者に安全確保の一義的説明を負わせているだけ
で、規制委員会が安全の責任を負っていないから、基準に適合していれば安全だというわけではない。
新規制基準が合理的かどうかが審査されなければならない。

2、新規制基準の内容の不合理性
 旧指針では、原発は、3層の多重防護が対策されていた。事故を起
こさない、拡大させない、外部に出さない。放射性物質は、設計を超えて放出されないということになっている。

原子炉を ①止める ②冷やす ③閉じ込める というのがそれである。
層の防護を可能とする5重の壁ということもよく言われた。①ペレット②燃料棒被覆管③圧力容器④格納容器⑤原子炉建屋がそれである。安全であるとされる基準に適合していれば、シビアアクシデントは考慮する必要がないということが、旧基準の考え方であった。

福島第一原発事故が起こったことにより、この考え方が不合理であ
ることが明らかになった。
 旧安全指針を是正するため、規制委員会が発足したのが2012年
9月である。基準検討チームが発足してからわずか8ヶ月で多数の新基準が決められている。
わずか8ヶ月で十分な検討がなされたのか。

3、新規制基準における多重防護の変化
 原子力規制基準は、国際基準では1~5層の対策と立地指針の両方
が必要とされている。
旧安全基準は、3層(異常発生防止対策、異常拡大防止対策、放射
性物質以上放出防止対策)までであるが、それに加えて、4層、シビアアクシデント対策、5層、防災対策が加えられた。
しかし、新基準では4層、シビアアクシデント対策は不十分である
。5層、防災対策には、地震が考慮されていない。1~3層までの対策は、更に強化すべきである。そして、シビアアクシデントが起こっても大丈夫であるかのような基準となっている点につき、是正すべきである。

4、旧安全指針の欠陥が改善されていない
 旧基準までにも盛られていた3層までの対策について、更なる対策
が取られるべきであるのに、作業ミスなどによる内部的事象によって起こる事故については対策されていない。
安全に収束する設計であればよいとされてきた点を是正し、内部事
象による事故も考慮するべきである。
また、地震や津波などの自然現象については考えないということで
はおかしい。東北地方太平洋沖地震の教訓は、従来の想定基準の設計基準ではおさまらないことを教えている。

新基準は、原因によって対策をわけるというように考えている。
計基準は、強化されているのかといえば、例えば地震についてなど、「適切に評価」するという、基準とすら言えないような体裁に留まっている。
地震は、
平均値を前提とした対策をとっているが、
均値より大きな地震も小さな地震も起こるから平均値の値となるである。大きな地震が来た場合どうなるのか。福島の事故の教訓が、なんら生かされていない。

外部電源についてはどうか。外部電源の重要度数は、重要度数クラ
ス3、耐震重要度数クラスCと最高ランクとされた。従来は最低ランクであったので、この点は改善されたといえるが、そもそも、シビアアクシデント発生時に、外部電源は確保できるのか。原発自体の耐震性を高めなければ外部電源を確保できる可能性は下がるといわざるを得ない。

5、新基準では、シビアアクシデント対策内容を4段階に分けてい
る。
 ①
重大事故に至る恐れがある事故
 ②
炉心の著しい損傷がある事故
 ③
特定重大事故(航空機の衝突など)
 ④大規模損壊(原子炉の大規模損壊が生じる場合)の4つである。
重大事故対処施設は、当然強固なものでなければならないが、基準地振動につき、設計基準設備と同じである。設計基準対処施設の基準地振動よりも大きな振動に耐えられる施設であることが必要である。なぜ、重大事故対処施設が必要なのかということに思いが至っていないのである。

また、重大事故対処施設は、可搬設備につき、人が動かさなければ
ならない。大地震、大津波が来たとき、逃げないで対応しろということを強要できるのか。
特定重大事故対処施設については、テロに狙われるという想定がな
されていない。第2制御室を作っておこうということも考えない。テロの標的になるということはありえない。現状ではあり得ません、ということになっている。
大規模損害が起こった場合については、もっと酷い。対策は、放水
車である。規制委員会は、まじめに、これでよい、としている。

6、立地指針が宙に浮いている。立地指針は、新基準の中に存在し
ない。廃止することも表示されていない。
立地指針には、離隔要件というものがある。万一のときも周囲の安
全を確保できるようにするためである。立地条件は、我が国で現在運転中のほとんど全ての原発の敷地内に包含される。原発敷地内で対応できるならいいですよ、ということになっている。大間原発の場合、大間のあさこはうすは、非居住地域にあたる。

福島第一原発の敷地境界に於ける線量は、2011年4月1日~2
012年3月末日まで、0.956Svもあった。立地指針によるめやす線量0.25Svでは到底間に合わない。少なくても、福島原発事故と同程度の事故を想定した離隔要件とするべきであるこの基準を取り込んでいない規則は、安全確保策として明らかに不足している。

 立地審査指針とは、万一の事故が起きても周辺に放射能被害が及ば
ないようにするための対策である。この件をなおざりにして安全神話をまた作るつもりなのか。地震や津波の安全対策の判断を誤った場合に、どういう事故が起きるのかということを考えていただきたい。

最後に、第4次訴訟原告の中から2名の方の意見陳述が行われた。
山本さん。施設教員。
高橋はつえさん。元市議。母と女性教職員の会代表。
IMG00628.jpg 
※裁判所までの距離を行進する原告団



第12回口頭弁論の最後に、原告側弁護士から被告側に対し、「論を行なえと裁判長は指導すべきだ」という強い訴えがなされた。
被告側は、これまで一度も原告側の主張に対し反論を行なっていない。
新基準が発表されるまで待っているのであろうというのが原告側の推測であったが、このたび新基準も提示され、議論の舞台は整ったといえる。
このまま何も反論がなされなければ被告側は裁判に負けてしまうので、なんらかの反論はなされるであろうと予想されているが、被告側は今のところ沈黙を守っている。

函館市が、大間原発の建設差し止めを求めて提訴に踏み切ったことで、原告側は勢いづいている。
裁判所からは、毎回の口頭弁論で市民が意見陳述を行なうことに対し取りやめるよう言われているそうだが、原告側は、重要な原告の意思表示であるとして引き続き行なっていく構えだ。
現在、第5次原告団の募集が行われている。
訴訟団の代表竹田とし子さんは、1000人の原告団となって裁判を闘いたいと語っている。 

裁判の傍聴に集まった原告の中から、訴訟の会に対し、HPの充実を求める要望が出された。
このたびの口頭弁論で青木秀樹弁護士により話された新基準についての分析は、専門家等の英知を集めた最先端の情報であり、原告が情報共有する重要性が語られた。

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2014.5.2 日本青年会議所の正体見たり

ざっくり言えばこんな内容
●青年会議所が全国一斉に憲法ミーティングを開催
●憲法改正ありきの進行
●目的はアンケート



詳細(事実)
公益社団法人日本青年会議所といえば、投票率アップのために選挙時に公開討論会を開いたりする団体という印象ではないでしょうか。

その青年会議所(略称JCI)が、憲法記念日の前日5月2日に『全国一斉!国民による未来創造プロジェクトin青森』が開催されました。全国で一斉に開催されるということで、すごいですね。

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大規模な事業です。JCIが全国で一斉に憲法イベントを開催するのは今回がはじめて。
参加した感想をレポートします。


気付いたことを書いていきますよ~


●大きなイベントなのに告知があまりされてない。 当日の告知でたまたま知りました。告知がされていないので一般来場者は皆無に等しい。


●コーディネーターは終始憲法改正を前提に進行していた。入口で渡されたのは自民党改憲草案。 「憲法改正にむけて~」「反対意見の多くが間違った認識」などといった表現が相次いだ。

●パネリストが憲法改正論者2人と日頃憲法に関心が薄かったという大学生ひとり 青年会議所は独自の憲法改正案を作成・発表している。自民党の改正案と酷似。反対意見を述べるパネリストがいない。
http://www.jc-constitution.net/wp-content/uploads/2014/02/soan-01.pdf

●来場者はほとんど関係者 100人以上の来場者のほとんどが黒いスーツの関係者らしき人だった。

●アンケートの集計結果を「憲法を国会で発議すべきという意見が過半数を超えた場合」のみ、 「民意」として国会に提出する予定 音声を聞いて頂ければわかるように、来場者の印象をかなり強引に誘導されているのでフェアでない。

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●アジア情勢の不安定や日米同盟の偏務性をアピールしていた。

来場者に憲法改正の必要性を感じさせるシナリオになっている。 大学生パネリストの瓜田さんは、「中国に尖閣諸島を取られそうだから戦争するしかないんですか?」と理解できない様子だった。




まとめ(評論)


日本青年会議所の目的は、アンケートで当然過半数を超えるように誘導した「憲法案国会で発議すべし」の民意を捏造し国会に提出することだと見ていいだろう。

地方選挙の公開討論会では異常な程中立性を徹底していた青年会議所が 憲法改正論議においては完全に自らの主張に偏った民意醸成を図っていることに 驚きを隠せなかった。

津島議員やJCIパネリスト・秋葉コーディネーターの憲法認識は相当に浅いと言わざるをえない。 また、一定の知識をもって聞けば不適切とわかる例え話で、間違った印象を与える悪質な話法を多様していた。たとえば、集団的自衛権の概念を「友達が暴漢に襲われたら助けるのが信頼関係」といった風に。その『トモダチ』こそは、言いがかりをつけて正当防衛だと言いながら先にケンカをふっかけるいじめっ子なのだ。 

記事=小山内頼人




※市民ジャーナリストチームあおもりでは事前の審査を経て記事を公開しています。補完情報や異議申し立てのメッセージお待ちしています。

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2014.3.11 東日本大震災から3年 岩手県の被災地の状況

 2011年3月11日から3年の月日が経ちました。岩手県の被災地はどうなっているでしょうか?

今回は久慈市から釜石市まで南下しながら海岸付近の様子を写真に収めてきました。

●前回の視察記事
  →岩手県陸前高田市に行ってきました。 http://yori1335.blog89.fc2.com/blog-entry-75.html
  →岩手県大槌町・大船渡市に瓦礫の視察に行ってきた http://yori1335.blog89.fc2.com/blog-entry-66.html

ざっくりいうとこんな内容
・被災廃棄物の山がない
・仮設住宅と仮設店舗が増えている
・海岸の補修が始まっている





岩手被災地の様子

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小袖海岸・・・海女センターやいくつかの住居が流されたが再建されている。



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久慈市・・・三陸鉄道リアス線は4月から全線運行開始できるまでになった




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野田村・・・海岸の補修工事が始まっている。被災廃棄物は一切見当たらない。





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野田村・・・防潮の盛土を建設している。プレハブの仮設店舗が多数営業している。





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山田町・・・全国からの支援に感謝の看板。仮設住宅の数は増えている印象。



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宮古市・・・壊れた防潮堤は手付かず。被災家屋の解体は終盤。海岸近くは更地のまま。





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大槌町・・・過去の津波浸水地域内でも一部家屋の補修工事が始まっていた。





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大槌町・・・ここには大量の被災廃棄物があったが跡形もなく、代わりに海岸整備用の砂利とテトラ。



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大槌町・・・巨大な防潮堤のコンクリートが破壊されたまま。




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大槌町・・・何者かが供えた花。たくさんの住民(浸水区域内の犠牲率11%)が海に飲まれた。



ま と め
・久慈市から釜石市までのあいだ、被災廃棄物の山は一切見当たらなかった。以前廃棄物が積み上げてあった場所には代わりに海岸整備用の砂利・テトラポッド・砂が用意されていた。
・各所に仮設住宅、仮設店舗が営業していたが以前よりも倍増している印象。釜石市では仮設店舗の商店街ができていた。ある商店の店主は「気負いせず観光に来て店を利用してほしい」と語る。
・更地になっている地区はまだ建設許可が出ないためか新しい家はできていなかった。
・ようやく復旧が始まったという印象。高台への集団移転が進まず辞退者が相次いでいるそうだ。
記事=小山内頼人



※読者の方からの追加補完情報、ご意見、ご感想をお待ちしています。コメントやメッセージフォームから気軽にお寄せください。



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2013.12.25 憲法研究者からみる秘密保護法とは?

・:*:・゚Merry Christmas♪

今日は12月25日!みんなは今年いい子にしてたかな??


さて、今回も秘密保護法の話題です。秘密保護法が施行されると、『知る権利が犯される』とか言われるよね?じゃあ秘密保護法って憲法に関係あるの・・・?



ということで、憲法の研究をしている大学の先生に聞いてきました!今回お話を伺ったのは弘前大学人文学部河合正雄さん。憲法が専攻で、基本的人権・囚人の人権を研究されている方です。


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質問①
今回参院を通過した秘密保護法の内容が基本的人権を侵害するのではないかという声・一方では一般国民には関係ない法案だという論説も聞こえます。見解をお聞かせください。

日本国憲法が国民に保障する基本的人権には平等権・自由権・社会権・請求権・参政権の5つがありますが、人権侵害の恐れがあるとすればどんな危険性が指摘できますか?




「一般国民には関係ない法律」という説明は、秘密保護法(以下、単に「法」とする)を誤解している。
第1に、特定秘密を扱う公務員のみならず、特定秘密を扱う民間企業(軍需産業等が念頭となろう)の社員も対象に含むことを想定している(法5条4項の「適合事業者」や同条5項の「従業者」がそれである)。

第2に、特定秘密を扱う者に対して情報提供を求める一般人も刑事罰の対象となりうる(法25条1・2項の「第23条1項又は前条1項に規定する行為の遂行」を「教唆」することがそれである。「出版又は報道の業務に従事する者」ではない一般人の「取材行為」は、「正当な業務による行為」とはならず、刑事罰の対象となりうる(法22条2項))。

第3に、それでも、特定秘密を扱わないまたは情報を入手しようとしない一般人は、一見すると規制対象とはならないように思える。

しかし、「著しい支障」(法3条1項)など一定の制約こそかけてはいるものの、特定秘密の定義が漠然かつ広範に解釈することのできるは膨大である。

公開される情報の制約によって、一般人が報道を通じて得ることのできる情報も少なくなる。そうすると、一般国民は主権者でありながら、制約された情報の中で政治的な判断をせざるを得なくなり、重要な局面における政府に対する監視が疎かなものとなりかねない。

なお、基本的人権の分類について、プライバシー権のように法の下の平等(憲法14条)・自由権・社会権・国務請求権(受益権)・参政権には含まれないものの憲法上保障すべき権利・利益もあることから、この5つに包括的基本権(憲法13条)を加える説明もなされている。





質問②
秘密保護法をめぐってよく議論されるのが、「知る権利」についてです。一般国民には知らない人も多いと思いますが「知る権利」は憲法には明記されていません。新しい人権として自由権のひとつである「表現の自由」を根拠に主張されています。この、憲法に載っていない「知る権利」の必要性が叫ばれたのにはどんな経緯があったのでしょうか?また、秘密保護法施行によって知る権利はどうなるのでしょうか?


知る権利は表現の自由(憲法21条)から導かれるが、後述する例のように参政権的な性格のほか、公権力に対して情報公開を求めることのできる権利であることから国務請求権・社会権的な性格も持っている。

前提として、マスメディアの発達・巨大化により、情報の受け手(一般人)と送り手(メディア)の乖離が大きくなり、一般人は、メディアが編集した情報を一方的に受け取る受動的な存在となっている。例えば、テレビ局に放送内容の不当性をクレームしても、事実上ほとんど相手にしてもらえない現状がそれである。

また、福祉国家化による公的機能の増大や情報技術が発展する中で、公権力への情報集中も大きな現象となっている(芦部信喜『憲法学Ⅲ人権各論(1)[増補版]』(有斐閣・2000)245-246頁が、簡潔ながらまさに法の問題点を書いている)。

この公権力やマスメディアの情報集中や独占という現実に対して、一般人が正確な情報提供を求める声が出てくる。すなわち、有意義な表現活動を行うためには、正確な情報を得ることがしばしば必要になるためである。例えば、ジャーナリストが核心に迫る報道(表現行為)を行うためには、正確な情報を基にした十分な下調べ(知る権利)が必要となる。このことは、とりわけ公権力との関係において、国民が公権力を監視し、国民主権を実質的に担保する上で極めて重要となる。例えば、原発問題について事実に基づいた冷静かつ適切な議論を行うためには、原発に関する正確な情報を提供されることが大前提となる。

言うまでもなく、特定秘密に指定された情報は開示が制限されるため、知る権利はその分縮減されることになる。






質問③
秘密保護法に関わる国会運営にも多くの問題が指摘されています。マスメディアにも拙速だとか強行採決という文字が踊ります。憲法に主眼を置いた場合衆議院・参議院における秘密保護法の審議・運営にどのような問題点が浮かび上がりますか?


法案は国民の代表(国会議員をlaw makerと言う)で構成される国会で審議した上で制定することが、議会制民主主義国家の大前提である。とりわけ基本的人権の制約(個々人の権利・自由を擁護するために国家権力がある。)や、民主主義の生命線である精神的自由の制約(憲法学では、精神的自由を一度制約する法律を作ると回復しにくいことが指摘されている。例えば、政府批判禁止法をひとたび制定すると、合法的な政府批判は極めて困難となるため、同法の廃止や修正は行いにくくなる。)に関わる重要法案については、十分な審議が必要である。

明らかに短すぎる審議時間ですら、与党議員の大半が審議を欠席したことは不可解極まりないし、特に参議院特別委員会での採決は国会や国民に対する許し難い冒涜行為である。


ただし、国会でさしたる審議を行わず、反対する国民の声を軽視し(儀式的ではあれ、国会を包囲する反対派の前に首相や閣僚が出向き、反対派の代表と談判することを一度も行っていない!)、いとも簡単に法を通してしまう議員集団を多数選出し、しっかりと論戦を張る議員集団をさほど選出しない有権者にも大きな責任がある

少なくとも民主党政権時に法制定の議論が表面化しており、2012年末の総選挙や2013年の参院選で争点化されていなかったことを言い訳にすべきではない。選挙制度や選挙当時の政党の力関係から異論があるかもしれないが、圧倒的多数の議席を占めさせた上で安倍政権を誕生させ、衆参の「ねじれ」を解消させたのは有権者自身である点も自覚すべきである。






質問④
政府は秘密保護法によって国家機密の漏洩を防止すると主張します。国家機密の漏洩といえば【西山事件】が判例として有名です。第三次佐藤内閣当時、米リチャード・ニクソン政権との沖縄返還協定に際し、公式発表では米国が支払うことになっていた地権者に対する土地原状回復費400万ドルを、実際には日本政府が肩代わりして米国に支払うという密約をしているとの情報をつかみ、毎日新聞社政治部の西山が日本社会党議員に漏洩しました。
憲法研究者の視点からみると機密情報の漏洩と国民の権利のバランスはどんな形が理想ですか?



日本は民主主義国家である以上、国家の運営に関する情報は、常時開示可能であることが大原則である。確かに外交・防衛領域を中心として開示できない秘密も存在するが、あくまでそれは例外であり、秘密とする範囲と期間はどうしても必要な程度にとどめるべきである。重要な原理原則に対する例外を広げることには慎重でなければならない。







質問⑤
日本国憲法は日本の最高法規であり、これに違反するいかなる法律も無効であるとされています。あたらしく提出される法律案が憲法に違反していないかどうかを国民はどのようにして知ることができますか?また通過した法律の運用の過程で違憲行為が行われていないかどうかどのように知ることができますか? 意見法律はどのような過程で【無効】となりますか?


確かに、多くの法律は法律家から見ても分かりにくいが、どのような条文が人々の権利・自由にとって脅威であるかを把握するために、憲法に関する基本的な知識(主な基本的人権の内容と立憲主義について理解すれば十分である)を身につけた上で、日常から政治に興味関心を持つことで、人権に関する皮膚感覚を養っておく必要がある。

法律の廃止は国会が行うため、法を違憲であると考える人々が、デモや集会、ネット等様々な表現活動によって法の違憲性を世論に訴えかける中で政治家を説得する必要がある。

日本の裁判所は、実際に誰かの権利が侵害されない限り審理ができないため、違憲判断を求めるためには、誰かが法を根拠として権利侵害される必要がある(典型的には、法を根拠とした逮捕・起訴)。ただし、事件を審理したとしても、日本の裁判所は、なかなか違憲判決を出さない傾向にある。また、仮に違憲判決が確定した場合も、権力分立の観点から、法律の廃止や改善は国会が行うため、やはり世論に訴える必要がある。







質問⑥
最後に、憲法の条文に【 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。】とあります。国民の不断の努力にはどんなことが挙げられるでしょうか?見解をお聞かせください。




憲法は公権力を拘束するために存在するため、国民に一定の行動を求める憲法12条の法的な意味合いは小さい。とはいえ、現在保障されている権利・自由は人類が血と汗を流して獲得した成果であるものの、黙っていればその権利内容は現在保障されている以上には拡充されることはないし、逆に後退する可能性もあるため、12条第1文の精神は極めて重要である。人々が現在保障されている権利・自由に対して関心を持つことに加え、法に問題があると考える人は、面倒であっても腰を上げ、デモ等を通じて対外的にアピールすべきである。









まとめ
憲法研究者の目線からも、秘密保護法の内容・国会運営ともに深刻な問題が指摘されました。印象的だったのは、国会を冒涜し、民主主義を無視する国会議員を国会に送り出した国民にも責任があるという指摘です。いま日本が経験している未曾有の政治不安は、誰でもない国民自身が長年主権を放棄してきた結果にほかならないってわけだ。衆院選・参院選で国民は『決める政治』を望んだ。その結果が与党の暴走。不断の努力を欠いては基本的人権はどんどん奪われていくんですね。
※記事=小山内頼人

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2013.12.09 第二回 時事川柳コンテスト 【特定秘密保護法川柳】募集! 


みなさんおばんです。 今年ももう、暦の上ではディッセンバーですねー!

12月6日に特定秘密保護法案が参議院を通過しました。どんどん「美しい国」に近づいてますね~ヽ(*´∀`)ノ  あ、「普通の国」でしたっけ? まいいや。

特定秘密保護法には、「北朝鮮のスパイを追い出すためにぜひやってくれ」とか「民主主義の死だ~・゜・(ノД`)・゜・」とか実にさまざまな意見があります。


●両方の意見を見られる秘密保護法アンケートはこちら⇒秘密保護法アンケート



あなたは五・七・五に全てを込められるか?


原発川柳につづき、「秘密保護法川柳」募集します!
●優勝者にはこんどこそ素敵な景品を用意します!
●秘密保護法に賛成でも反対でも、なるほどと唸るような作品をお待ちしてます
●作品はいくつでも投稿可。
●気に入った作品には一日一回投票できます。


投票はこちらからも⇒秘密保護法川柳

※注・・・前回、こちらの手違いで川柳の作者がわからないまま優勝が決まりました。作品投稿の際はかならず、右のメッセージフォームからペンネームを添えて投稿くださるようおねがいします。優勝者決定時にこちらから連絡さしあげます。

▼市民ジャーナリストチーム青森活動の軌跡

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